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海と人間   -このサイトの基本精神-

天地悠久
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海と人間

2014.6/1に一部の修正・加筆を行いました。

海と人間の歴史

約137億年前に宇宙が誕生し、広大な宇宙には、無数(700垓(がい,10の20乗)個)の星があった。その中に、天の川銀河(約1000億個の恒星)があった。その中で、小さなチリやガスが集まり太陽が出来た。残った僅かなチリが円盤状の星雲となって太陽を周りはじめ,そのチリが集まって惑星が生まれ,地球もその一つとして46億年前に誕生した。河村 明氏による「1億年を1年として考える地球年」が実感しやすい。地球は現在46歳。当初の大気は殆どがCO2で占められて熱かった。地球に火星サイズの天体が衝突して月が誕生(Giant Impact Theory)したのが1歳の頃で, 地軸の傾き(自転軸の公転面となす角,23.5度)が生まれ四季が出現した。

当初の大気は殆どがCO2で占められて熱かった。太陽の活動が一時的に激しくなり,地球を覆っていた星雲も吹き飛ばされた。地球は冷えはじめ火山性ガスの中の水蒸気が冷やされて雨となり,地球が6歳の頃海が出来た。

海で生命のもとになる有機物が生まれたのは地球が7歳の頃,地球上に大陸が形成されたのが地球が27歳の頃,動物が海で生まれたのは地球が33歳の頃だった。

海のおかげで,気温変化が少なく気候は穏やかになり,ほ乳類や鳥類等も陸上で生活することができるようになった。動物が海から陸へ上がってきたのは,地球が42歳5ケ月の頃だった。
ホモ・サピエンス(人間)が誕生したのは地球年18時間前,キリスト誕生は地球年10分30秒前,羅針盤の発明により人間が海へ乗り出した大航海時代が地球年2分前で,船が発達し人類の大移動も行われ,世界中の海で,さまざまな物が輸送されはじめた。

巨大な海には,食料やエネルギーが蓄えられていることから,水圧の壁が克服されはじ めたのは地球年16秒前のことだった。

一方,人口は人類が誕生した地球年18時間前から10分30秒前(AC0年)には約2億人に増え,地球年5分前(産業革命AC1800年)には10億人,地球年1分前(過去200年)から急速に増加しはじめ,2014年現在72億人となった。海は人間による開発,利用のいきすぎからか病み始めた。
                                      
主な参考文献:松川・佐々木著「人間にとっての海」,農文協,河村 明氏「地球年」

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海の凄い機能

海は,大気と力を合わせ地球の気候を決めている。海には自己調整機能があり,急激な気象の変化を緩衝してくれる。海が無くなると,一日の温度差が30℃にもなるといわれる。また,海には自浄機能があり,汚れた自分を浄化し,自分が熱くなれば冷やそうとする。さらに,海は人間が1年に大気中に排出するCO2の3割を吸収する。これは,世界の森林の吸収量の約2倍に匹敵するといわれる。(2008、国立環境研)

また、海が出来たのは,太陽から地球がほど良い位置にあったからで,もし,太陽に近すぎたら水蒸気になり,遠すぎたら火星や木星のように氷になってしまう。宇宙規模で考えても,水はたいへん貴重な物質だといわれる。


母なる海
 
海は地球上の動植物の故郷である。海は動植物に欠かせない淡水の最も重要な発生源であり,かつ重要な食糧供給源でもある。35から40億年前の太古の深海に生命が芽生えて人間の存在があるということが約100年前から定説になっている。海と人体は驚くほど似ている。例えば,妊婦の羊水の成分は海水によく似ている。陸に寄せては返す海の波は一分間におおよそ18回といわれるが,人間の呼吸の回数も,驚くことにやはり1分間に平均18回である。波のリズムや潮汐(潮の満ちひき)は人間の命のリズムの基本に関係しているといわれる。

人体の60%は水で,体重の1%の水分不足で猛烈な喉の渇きを覚え,3%以上の不足で脱水症状になり死亡する。人間は水と無関係ではいられない。このため,人間は昔から水に依存した生活をしてきた。チグリス・ユーフラテス川,ナイル川,インダス川,黄河のほとりに世界の四大文明はあった。
夏が近づくと,海に関する行事が行われ,「人間はなぜ,海を懐かしく思う?」というようなポスターを見かける。この答えは,海は人間の母だからである。海は多くの恵みや環境を与えてくれ人間を育み,正す。


人間は海を大切にしなければならない
  
海は,地球表面の71%を占め,このゆえに地球と命が存続している。1961年4月12日,人類初の有人宇宙船(旧ソ連の「ボストーク1号」)に乗って,ユーリ・ガガーリン飛行士は,人類ではじめて大気圏を飛び出した。そして,300キロメートルの高さから地球を眺めて「地球は青かった・・」と言った。

地球直径を1メートルとする河村氏の地球長による考え方によると,地球上のすべての水(わずか,0.68リットル,そのうち97.5%は海の水)を地球表面に均一の厚さで覆うと0.2ミリで人間の皮膚の表皮の厚さ0.2ミリと同じだということになり,海が如何に繊細なものかが分かる。

近年,海の浄化能力を超えた人間の汚染物質等の排出による海洋汚染や海の酸性化が進行していることが指摘されている。海は広くて大きいものだから,少しぐらいはよいだろう・・とごみをすてる人があとをたたない。塵も積もれば山となる。今,この山が海を壊しつつある。
  
さらに, 温暖化による海水温上昇の悪影響も加わり、海水の酸性化が 今のペースで進むと、今世紀末までには熱帯や亜熱帯にかけてのサンゴはほとんど消滅し,海中の生態系が大きく乱れてしまうといわれる。
海水温の温暖化による上昇で台風は大きなエネルギーを受けて巨大化する。スーパー台風とは,風速が最大67m以上に達する台風をいうが,温暖化がこのまま進むと中心気圧866ヘクトパスカル,最大風速80mに達する巨大台風が今世紀後半日本を襲う可能性が予測されている。
(2009.9名古屋大,気象研究所)




生きとし生けるもの
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自然と人間
  
人間は,地球資源を無計画に使い切ろうとしている。核問題や地球温暖化問題を起こし人類自体をも滅ぼそうとしている。

18世紀の産業革命から20世紀にかけて科学技術力が大きく進展した。そして,自然は人間が支配できるもの,人間がより快適に生活するための道具に過ぎないという考えが主流となった。その結果,自然の一部を人間の快適な生活のために開発(破壊)した。ここに大きな錯覚(奢り)があった。

養老孟子氏は,「人間は,たかだかコンピュータ,自動車,ロケット程度しか作れない。つまり生命をつくれない。人間はカビにも勝てない。この近代科学の錯覚が,自分では作れもしない森の木をお金の分だけどんどん切らせている。そして,自然破壊,環境問題,エネルギー問題の根源となっている。」という趣旨のことを言う。

貨幣経済の弊害も大きい。大昔の経済では物々交換であった。不便であることから、珍しい石や腐りにくいものを使った物品交換となり、金・銀という希少な金属を貨幣に使った。しかし、採掘量に限界があるので、鋳造貨幣や紙幣が使われるようになった。この貨幣経済は便利な部分は大きいが、欠点も持っていた。貨幣を多く集めて、貯めて、増やすことで大抵の問題は解決できるという盲信が生まれ、人類社会に大きな格差が生まれてしまった。また、一方で、 “自然破壊型資本主義” によってお金儲けになる対象として自然は破壊されていった。

日本で、2011年3月11日大震災があり、付近の原発において世界最高レベルの大事故が起きた。このことから、人間は、自然をコントロールできる力などを持っていないことをはっきり気が付いた。原発もまだ、十分にコントロールできない科学技術力のレベルが明らかになった。
原発は、地震・津波等の想定の甘さと燃料の後始末の確たる方策のあてもないまま、見切り発車で始められて今日に至るが、今もその方策は未解明のままだ。

大森 彌東京大名誉教授は次のように述べている。原発事故と放射性物質の飛散は、ある意味で、「人間は自然を征服し統制する力をもっている」という考え方を基礎にした産業文明のほころびが明白になったことを意味しているように思えてなりません。」

20世紀後半になって,北極圏の氷河の異変,海水温の上昇,異常気象等々,温暖化に起因するとみられる現象が世界各地で起きはじめた。自然環境の復元は,自然と人間の共生をめざす大切なことであることを人類が共通して認識しなければならない。しかし,いまだに「なんとかなるだろう・・」と考える人間もいる。
 
エネルギーの専門家たちは,具体的な数字で見解が分かれるが,化石燃料は近い将来枯渇するということで一致している。

石井吉徳氏は次のように述べている。「人類は持続できない,今のままでは。それは大量生産,大量消費,大量投棄型文明を現代人は捨てきれない一方,文明を永続するエネルギー源の見通しも持っていないからである」。

こんな中、人類に残された最後のフロンティア、海洋時代がやって来る。日本は、技術的に世界の海底資源開発をリードしていることと、日本の経済的排他水域に資源の多くが埋蔵されていることから、日本は重要な立場をになうことになった。

日本の経済的排他水域には、莫大な量のメタンハイドレート、海底熱水鉱床にあるレアメタル、レアアース等の海底地下資源が発見され、試掘調査されている。
今こそ、生き物が住める地球存続のために、海を汚さない、自然を壊さない態度と行動が必要不可欠である。原発開始の際の見切り発車を繰り返してはならない。

そのうえで、日本は、単なる島国ではなく、海に慎重な関心を抱く大海洋国家を目指そう。
地球環境に住む生き物は、みな環境保全が必要で極めて華奢な存在で、人類や他の生き物は、同じ宇宙船地球号に乗り合わせた仲間である。

人間は,地球上で生き続けることが出来るだろうか

この答えは,あなたや私の考え方と行動次第であり,残念なことに,このままでは無理であることは確かなようだ。人間はもはや,高エネルギー消費生活の継続や「少しぐらいはよいだろう」という環境負荷行為の継続を許されない状況にある。人間は,史上最大の危機に直面していることに間違いはない。まず,このことを全ての人間が理解し,腹の底から認めるべきだ。
 
人間は,目先の利益よりも省エネ・省資源を優先した生産や生活を実行出来るだろうか。この点に地球の未来,人間の未来がかかっている。化石燃料ではないクリーンエネルギーの開発のための科学技術力と環境改善に関する認知と施策のためのな国際的な政治力が期待される。誰かが解決してくれるだろうという期待だけでは甘い。会社や個々人の行動が鍵になると思われる。要するに個々の人間は炭酸ガスを出して生きているのだがこれを少しでも少なくしようという意識と具体的な行動が必要だ。
 
一方,「人間とは所詮,この程度の動物,だから仕方がない,何にもできない,何にもしない」という悲観論があるが・・。地球と人類はまもなく宇宙から消えてしまうのか・・。一説では人類の存続は今世紀限りという。

環境問題対応行動について,大人を若者と若者ではない群に分けると,受けた教育の違いからか,概して若者の方が環境に敏感で,マナーもよくスマートだと私は思う。教育の力は大きい。これからは,「若い者は・・」とばかりいわないで,若者に大いに期待しよう。
 
ノーベル平和賞を受賞したIPPC(気候変動に関する政府間パネル)は,2000年に温暖化の原因は人間の活動が生み出す温室効果ガスだとほぼ断定し,このまま何の対策も講じないでいると,21世紀末,気温は最大で6.4°C上昇し,生態系に大打撃が生じると警告した。1世紀のうちの6.4°の気温上昇は地球の破滅を意味する。このままの温暖化が続くと100年後,世界の平均気温は最大5.8°上昇し,地上の氷がとけて海面は88cm上昇すると言われる(2009,6.14 北日本新聞)。
  
一方、「温暖化とCO2と直接の因果関係はなく,温暖化の要因は地球変動だ。IPPC(気候変動に関する政府間パネル)が,1975~2000年の気温上昇だけを見てCO2原因説を唱えるのはおかしい」という科学者の説もある。  
世界が温暖化ガス削減を検討し始めたが、経済活動阻害を配慮することで毅然とした態度は見られなかった。

果たして今後どうなるだろうか。

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by yyama0525 | 2014-06-02 15:44 | 海と人間