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海へ行こう


 以下に掲載する内容は,「一般の人間が海に親しむ時に知っておくべき知識を一つ、いつか加えて頂けないでしょうか」という,富山県民さまのご依頼に対応したつもりの記事です。
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海水浴,釣りには十分な注意とマナーを!
 
海浜事故の状況
海水浴場で海開きの神事が行われ、待ちに待った海水浴シーズンの幕が開ける。
しかし,毎年,痛ましい海浜事故が起きている。海上保安庁によると毎年,遊泳中に約300人,次いで釣り中に約200人の海浜事故が起きている。

遊泳中の事故原因と対策
今まで,海浜事故の原因については,よく分かっていない部分があった。しかし,今では徐々にその原因が具体的になりつつある。
悲惨な事故につながりやすい,子供の遊泳中の事故原因と対策は次ぎのことが考えられる。
・底の激しい流れに足をとられて,または突然の深みに足をとられて泳げない子供がおぼれる。
・手軽に楽しめるシュノーケリング器具等の不慣れな扱いから、子供が海水を吸い込みおぼれる。

これらの危険に子供がさらされていることに親が気づかなかったことが原因となる。
海の底はよく見えないし,動く水の中で,泳げない子供が遊ぶのだから,公園の遊園地やプールとは状況が全く違う。
子供から目を離さないというより,子供と行動を共にし一緒に遊んでやらなければならない。また,泳げない子供にはライフジャケットを着せるとよい。
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よくある大人の遊泳中の事故原因
・離岸流によってあっという間に沖に流されて岸に戻れなくておぼれる。
 
離岸流とは,海岸で発生する、岸から沖の方へ流れる速い流れのことで、その速さは,なんと毎秒1~2mに達することもあると言われる。
海岸に向かって吹く強い風によって,海水は沖から海岸に打ち寄せられる。
海水は岸に貯まるので,沖に戻さなければならない。その通り道が離岸流である。
風,波等の状況によって離岸流が発生する条件が整うことになるが,どこでも発生すると言われている。
日本財団の事業助成金を受け(財)日本水路協会等で作製した「離岸流のはなし」という教育資料を入手した。
しかし、期待していた離岸流の全国レベルの系統的な観測結果や離岸流の発生予測に関するものではなかった。
でも、有用だと思われるので,近くの海上保安部に問い合わせれば入手できるかもしれない。
あらかじめ,あなたのお気に入り海の水浴場の管理者やライフセーバー,サーファー等に離岸流についての可能性を確認しておいた方がよい。
万一,離岸流に流されたと気づいたら,まず,落ち着くことだ。岸の方向へ,流れに逆らって泳いではいけない。到底,泳ぎ切れない。助けを呼びながら,海岸と平行に泳ぐ。流れの巾は意外と狭く最大約50mくらいと言われているので、脱出することができる。
この,どこでも発生する可能性のある「離岸流」と「おぼれる」ことには大きな関連があると言われている。
・飲酒遊泳しておぼれる。
泥酔状態でなくとも,アルコール酔いで思ったように体が動かず,意外と簡単におぼれてしまう。自己過信をせず,飲酒遊泳を絶対にしないことだ。

釣り中の事故原因と対策
釣り中の事故原因は、転倒がもっとも多く(50%)、次いで孤立(18%)、波に引き込まれる(16%)と報告されている。釣り中の事故者では、ライフジャケットを着用していた65人の生存率が75%(49人)であった一方、ライフジャケットを着用していなかった178人の生存率は、48%(85人)という。
当然のことながら,ライフジャケットを着用し,転倒する,孤立する,波に引き込まれそうな所では釣りをしないことが対策となる。
不意に海に落ちた場合,着衣水泳をしなければならない。大変泳ぎ難く,水着のときに比べ泳げる距離は,約6割に減少すると言われている。しかし,服は脱がずともよい。服を脱ぐのに時間と大変な労力が必要であるからだ。また,衣服には浮力があり,体温低下を防ぐ。
なによりも,すばやく岸に戻らなければならない。私は在職中,今から30年前から海で着衣水泳を学生に体験させてきた。

心肺蘇生法の実施
心肺蘇生法とは,呼吸が止まり,心臓も動いていないと見られる人の救命へのチャンスを維持するために行う呼吸及び循環の補助方法である。
具体的には,呼吸が止まってから2分以内に心肺蘇生が開始された場合の救命率は90%程度,4分で50%、5分で25%程度となると言われる。
従って,救急車の到着までの数分間に現場に居合わせた,あなたによる心肺蘇生が行われるかどうかがおぼれた人の生死を大きく左右する。
具体的には,意識の確認,速やかに救急車を呼ぶ,気道確保,人工呼吸・心臓マッサージの繰り返しである。この方法の習得は今では簡便で一般的になった。
私は,在職中,今から15年前から消防署レスキュー隊のご協力を得て,毎年,学生にこの方法を教えてきた。

波の力を甘く見てならない
釣り中や海岸での散策中に高波にさらわれたりする事故がある。波の力を甘く見てはいけない。凄い破壊力を持っている。私も波の写真を撮るために大荒れの海に近づくことがある。
私よりも軽装で平気で波に近づこうとする人たちがいる。低気圧が日本海を通過し、波や風が治まり海面が平穏になった頃、突如として高さが3~5mの大波が富山湾沿岸を襲い、船舶や建物に大きな被害を与えることがある。
この富山湾特有の異常な大波を「寄り回り波」と呼んでいる。

海浜事故は減らすことが出来る
このように考えてくると,海には近づかない方がよいと思われるかもしれない。
海浜事故の殆どは人為災害(人災)であり,人間に原因がある。たとえば,こういうことを知っていることや関係機関の尽力により,海浜事故を少なくすることが出来る。
海浜事故は,減少傾向にあり,今では,昭和50年時の4割に減少した。
 
海を汚してはならない
私には,こんな経験がある。私が友人と二人で漁船で流し釣りをしていると,立派な大型クルーザーが私達の漁船に近寄ってきた。何が釣れるかを知りたかったのだろう。しばらく近くで私達をみていたが,たいして何にも釣れてないと分かったのだろう。クルーザーに同乗していた若い女性が缶ビールの空き缶等の入ったビニール袋をポーンと海に投げ捨てると同時にそのクルーザーは「ゴー」と音をたてて,大きな航走波をたてて沖に向かって去った。
私達の乗った漁船は大きく揺れた。友人は無言でそのゴミをタモですくい取った。
海は広くて大きいものだから、少しぐらいはよいだろう・・とごみをすてる人があとをたたない。塵も積もれば山となる。今,この山が地球を壊しつつある。

海でのマナー
「母なる海は人間を育てる」で述べたように,海は人間の母である。
母の膝元で行儀の悪い行いをして欲しくない。たとえば,富山の海を愛する、釣り人たちの集まりである富山湾岸景美隊の方々等が,頭の下がる実行をされている。
マナーは,私のとくに専門とするところではないので,このサイトを訪れ,認識を新たにすることを勧める。
また,釣りをする場合は,県条例で何をしてはならないのかが決まっている。確認して欲しい。

安全第一で海へ行こう
何もしないで寝て居れば確かに「安全」だが,「安全第一」とは,限界を見極めたうえ,一歩安全サイドで実行することである。「安全第一」で海へ行こう。




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by yyama0525 | 2008-05-19 00:00 | 海へ行こう(×)